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製紙・パルプ業界の2017年世界売上高ランキング、世界市場シェア、市場規模、業界再編の最新情報。インターナショナルペーパー、UPMキュンメネ、王子、ストラエンソP&G、キンバリークラーク、スヴェンスカ、スマーフィットカッパ等主要な製紙会社の概略も掲載。




製紙世界シェア

製紙・パルプメーカーの市場シェア・ランキングによれば製紙・パルプ生産量別の製紙メーカーの世界シェア・ランキング1位はInternational Paper(インターナショナルペーパー)です。


パルプ生産の世界シェア

パルプ生産における、生産量ベースの世界シェアでは、1位は、ブラジルのフィブリアとなります。同社はユーカリパルプに強みを持ちます。2位は、チリの製紙大手であるアラウコ、3位は、同じくチリのCMPCとなります。4位には、インドネシアを中心にパルプ事業を手掛けるエイプリル、5位はブラジルのスザノとなっています。6位と7位には、フィンランドの名門である、UPMとストラ・エンソとなっています。なお、2018年に、スザノがフィブリアを買収し、生産量では断トツのパルプメーカーが誕生しました。

出典:パルプ生産会社の世界ランキング



2017年売上高世界ランキング

2017年の売上高ランキングでは、インターナショナルペーパー、スヴェンスカ、ストラ・エンソ、UPMの順となっています。P&Gやキンバリーはランキングから除外されています。


世界市場規模

製紙業界の世界市場規模は約20兆円から30兆円程度と推計されます。

出典:世界の製紙業界の市場規模


パルプの年間生産量は、生産キャパシティーベースで、約63百万トンと推計されます。

出典:世界の市場規模(パルプ)




パルプの作り方

パルプは木材から木材チップを作り、不純物(樹脂)を木材チップから取り出し(蒸解)、洗浄や漂白工程を経て、木材の繊維分を抽出して作られます。出来上がったパルプを、水で薄めてワイヤー(網)の上に乗せ、プレス、ドライヤーで乾燥させ原紙を作っていきます。その後紙の用途によりコーティングやツヤ出しを行っていきます。パルプの原料となる木には、広葉樹、針葉樹、ハードウッド、ソフトウッド等に分類され、取り出せる繊維の長さ等によって用途が異なってきます。主にブラジル、インドネシア、チリはユーカリやアカシア等の広葉樹・ハードウッド、フィンランド、スウェーデン、米国はソフトウッドを多く生産していることが下図よりわかります。
ハードウッドはユーカリが有名
出典:スザノ社公表資料


製紙の用途による分類

紙を用途別に分類すると、厚紙(paperboard)、ティッシュ、ノートや印刷用紙、新聞等となります。用途別に成長率も異なっています。成長している分野はティッシュ、厚紙の分野で、逆にマイナス成長が新聞、ノートは横ばいです。製紙の用途別成長率
出所:スザノ社公表資料。


製紙・パルプ業界の再編

製紙・パルプ業界の再編のページでは、インターナショナルペーパー、UPM、ストラエンソ等の世界主要パルプ・製紙会社による業界再編が時系列で記載されています。製紙・パルプ産業の事業特性から、今後も原料調達力の強化やコスト競争力の強化を目指した業界再編による規模拡大の流れは継続するものと思われます。


参考書

製紙業界のページを作成するにあたり、以下の書籍を参考にさせて頂きました。

紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている: 再生・日本製紙石巻工場 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) [文庫]

熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録 増補完全版 (幻冬舎文庫) [Kindle版]

知っておきたい紙パの実際 2015 [単行本]

近代日本製紙業の競争と協調―王子製紙、富士製紙、樺太工業の成長とカルテル活動の変遷 [単行本]


世界の主要製紙・パルプ会社の一覧

International Paper(インターナショナルペーパー)
米テネシー州に本拠を置く世界最大の製紙会社。200年に北米同業のチャンピオンインターナショナル、2011年には印大手製紙会社のAPPM(Andhra Pradesh Paper Mills Rajahmundry、アンドラプラデッシュ・ペーパー・ミルズ)の過半数を取得する等買収により規模を拡大している。


P&G(プロクター&ギャンブル)
世界最大級の消費財メーカー。紙・パルプにおいてもインターナショナルペーパーに次いで世界第2位。


王子ホールディングス
国内最大手の製紙会社。2010年にマレーシアのGS Paper & Packaging (GSペーパー&パッケージング)を買収、2014年にニュージーランドの紙パルプ・段ボールメーカーのCHHPPを買収する等、近年海外展開を加速。


UPMキュンメネ
フィンランドの大手製紙メーカー。1996年にキュンメネ社とレポラ社等が経営統合し誕生したユナイテッド・ペーパー・ミルズ(United Paper Mills)が源流。パルプ、粘着紙、出版印刷用紙に強み。


Stora Enso(ストラ・エンソ)
フィンランドの大手製紙メーカー。1998年にスウェーデンのStora(ストラ)社とフィンランドのEnso(エンソ)社の合併により誕生。


日本製紙
国内大手製紙メーカー。タイの製紙大手サイアム・グループペーパーを買収。


Kimberly Clark(キンバリー・クラーク)
米国のテキサス州に本拠を置く製紙大手。Kleenex(クリネックス)ブランドのティッシュペーパーや紙おむつ等の日用品も強い。2014年にヘルスケア部門をスピンオフした。


Smurfit Kappa Group(スマーフィット・カッパ・グループ)
アイルランドに本拠を置く製紙大手。包装紙に強み。


SCA(スヴェンスカ・セルローサ)
スウェーデンに本拠を置く製紙大手。ティッシュ類等の衛生用品を手掛ける。2017年にパーソナルケア用品部門をエシティ(Essity)として分社化上場させた。同部門は、スヴェンスカ・セルローサが、1975年に買収をしたパーソナルケア大手のメンリッケ(Mölnlycke)が源流。


West Rock(ウェスト・ロック)
米国テネシー州に本拠を置く製紙大手。Rock TennとMWVが経営統合をしWest Rock社が誕生。


Mondi(モンディ)
1967年に資源大手アングロアメリカンによって設立された製紙・段ボール会社。2007年に分社化されロンドン証券取引所に上場


Sappi(ザッピ)
1936年に設立された南アフリカに本拠を置くパルプ製紙会社。SappiはSouth African Pulp and Paper Industriesの略。


Domtar(ドムタール)
1948年に創業したカナダに本拠を置く製紙・おむつ等の紙製品メーカー。


CMPC
1848年に創業したチリに本拠を置く製紙会社。南米最大規模を誇る。パルプ分野でも大手。


スザノ(Suzano)
ブラジルの大手製紙会社。80年以上の業歴。2018年に同業のフィブリアを買収し、パルプ事業を強化。


フィブリア(Fibria S.A)
ブラジルにおけるパルプ・製紙メーカー。2009年にブラジルのアラクルーズ・セルロースとVCP が合併して誕生。パルプ生産量では世界最大級。ユーカリパルプに強み。2018年にブラジル同業のスザノが買収を発表。


Arauco(アラウコ)
チリのパルプメーカー。国営のCelulosa AraucoとCelulosaConstituciónが民営化の過程で1979年に経営統合して誕生。


April(エイプリル)
Sukanto Tanoto氏によって設立されたシンガポールに本拠を置くコングロマリットRGEグループ傘下のパルプ・製紙メーカー。RGEはインドネシアや中国を中心に、パルプ・製紙、パームオイル、石油事業等を展開。
RGEグループの事業展開マップ
エイプリルの事業展開
(出所:RGEホームページ)



業界用語集

パルプ:
パルプとは紙の原料の総称です。木材チップから木材の繊維を取り出して作ります。

製紙・パルプ産業の特性:
紙自体はコモディディ化しており製品差別化は難しいと言われています。よって紙の原価における輸送コスト(嵩張るためコストがかかる)等を低下させるため、各プレーヤーともに地産地消をめざし拡大を続けています。