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鉄鋼業界の2017年の売上高世界ランキング、世界市場シェア、市場規模、再編、粗鋼生産量の情報。新日鉄住金、アルセロールミタル、宝武鋼鉄集団、ポスコ、JFEスチール、タタスチール等世界大手の鉄鋼メーカー動向も掲載。




2017年の売上高世界ランキング

売上高の世界1位はアルセロールミタルです。2位には韓国のポスコとなっていますが、製鉄以外の売上を含んでいると思われます。
3位には、日本の誇る製鉄メーカーの新日鉄住金が堂々ランクインしています。ハイテンホットスタンプといった高性能・高機能の鉄鋼製品へのシフトを急ぎますが、一方で自動車や航空材料における新素材(炭素繊維アルミニウム)採用の流れによる鉄鋼製品への需要減という潜在的問題にも対処する必要があります。
4位には、中国政府による鉄鋼業界の再編の流れのなかで2016年に経営統合を発表した中国の鉄鋼メーカーの巨人宝武鋼鉄(バオウースチール、Baowu)です。鉄鋼製品の余剰在庫の問題はありますが、売上高でも事実上の世界4位(製鉄事業に絞れば世界3位か)の規模を誇ります。
5位、6位にも中国政府系の鉄鋼会社となっています。



2016年粗鋼生産ベースの世界シェア

2016年の粗鋼生産量による世界シェアのランキングは、1位がアルセロールミタルです。2015年の世界1位から不動です。粗鋼生産量では、2位の中国の名門鉄鋼会社の、バオウースチールの1.5倍の差をつけています。3位には、同じく中国の国営鉄鋼メーカーであるフーベイ・アイアン・スチールが入っています。4位は日本の新日鐵住金、5位には韓国ポスコが、それぞれ粗鋼生産量で、4000万トン超で競っています。
6位はシャーガン・スチール、7位はアンスチールと中国勢が続き、8位に日本のJFEスチールが入っています。9位は、再び中国のショウガン、10位はイギリスのコーラスの流れをくむ、タタスチールとなっています。




鉄鋼会社別の粗鋼生産量(2011年以降)をみると、中国系の鉄鋼会社が安定的に上位に位置していることが分かります。

鉄鋼業界の国内シェアは国内の製鉄メーカーの最新シェアのページに記載があります。


鉄鋼業界の世界市場規模

鉄鋼業界の世界市場規模は約60兆~70兆円程度と推計されます。粗鋼生産量でみると概ね16億トン前後で推移しており、国別でみると中国が最大の粗鋼生産国となっています。
2017年の粗鋼生産量は、16億9122万トンです。


鉄鋼業界の概略

鉄鋼業とは、原料の鉄鉱石から最終製品の鋼材をつくる産業のことをさします。鉄鉱石から最終の鋼材を作るには様々な加工プロセスを経ることになり、作り方には、大きく高炉(こうろ)と言われる銑鋼一貫製鉄所での作り方と電炉(でんろ)と言われる鉄スクラップを加工する作り方があります。


鉄鋼業界の業界再編の歴史

鉄鋼業界の再編の歴史年表にはミタルスチール等の再編が時系列でまとまっています。鉄鋼産業の勃興とともに隆盛を誇った欧米鉄鋼メーカーが、規模拡大によるスケールメリットを追求するアジアなどの新興鉄鋼メーカーの傘下に入った歴史が分かります。
一方、鉄鋼メーカーの再編は鉄鉱石生産会社の再編の影響も大きいと思われます。鉄鉱石の生産は、資源メジャーと言われるRio Tint(リオ・ティント)、Vale(ヴァーレ)、BHPビリトン、FMGの4社でほぼ50%超を占められています。


参考書

本ページを作成するにあたり以下の書籍を参考にしています。

15分で鉄鋼業界の全体像を理解しよう! [Kindle版]

鉄人伝説 小説新日鐵住金 [単行本]

新日鐵住金の会社研究 2018年度版 (会社別就職試験対策シリーズ 資源・素材) [単行本]


粗鋼生産量業界ダントツの首位

ArcelorMittal(アルセロールミタル、ルクセンブルク)
2006年に高級鋼に強い仏Arcelorと汎用鋼に強いインド発祥のMittal Steelが合併して誕生。群雄割拠が続く鉄鋼業界で群を抜く規模となっております。欧州老舗鉄鋼メーカーとアジアの新興鉄鋼メーカーが経営統合したという点も重要です。2016年にイタリア大手鉄鋼メーカーのイブラに買収提案。



首位を猛追する日本の鉄鋼メーカー

日本の鉄鋼メーカーは自動車向けの高超張力鋼板(ハイテン)といった高機能鋼の技術を高めつつ、規模拡大も目指すという質・量の両面作戦をとっています。

新日鐵住金(Nippon Steel Sumitomo Metal、日本)
http://www.nssmc.com/
2012年に国内業界首位の新日鐵と国内業界3位の住友金属が合併し誕生。中国勢の猛追を受ける中、粗鋼生産量の規模拡大で対抗。2017年には合金メッキやステンレス鋼に強い日新製鋼の経営権を取得。最先端素材、超ハイテンや電機自動車のモーター(EVモーター)で用いられる電磁鋼板にも積極的に投資。


JFEホールディングス(JFE Holdings、日本)
http://www.jfe-holdings.co.jp/
日本鋼管と川崎製鉄の合併により誕生。国内粗鋼生産量では新日鐵住金に次ぐ業界2位。



その他の国の鉄鋼メーカー

中国勢は生産設備の刷新、製鉄所の規模拡大に向けた統廃合を行っています。

POSCO(ポスコ、韓国)
http://www.posco.co.kr/
新日鐵の前身の製鉄会社より技術供与を受けるなど結びつきが強い。韓国最大手で、グローバルでも粗鋼生産量は上位に位置する。アジアでも新日鉄住金と覇を競う。方向性電磁鋼板に関する新日鉄住金との訴訟ではポスコ側が賠償金を支払うことで2015年に和解。


U.S. Steel(ユーエス・スチール、米国)
https://www.ussteel.com/
米最大手の鉄鋼メーカー。かつて世界の粗鋼生産量で首位であった。


ThyssenKrupp(ティッセンクルップ、独)
ドイツ最大手。1999年に独重工業メーカーのThyssen(ティッセン)とKrupp(クルップ)の合併により誕生。2017年にブラジルの高炉事業アトランティコ製鉄(CSA)を南米大手のテルニウムに売却するなど、高炉事業の縮小を図る。2018年にタタスチールと経営統合し、ティッセンクルップ・タタスチールが誕生。世界の粗鋼生産量では上位との差は大きいが、欧州における平鋼生産量では、下図の通り1位アルセロールミタル、2位ティッセンクルップ・タタ、3位イタリアのイルバ、4位オーストリアのフェストアルピーネ、5位はドイツのザルツギッター、6位はSSAB(スェーデンスチール)と上位に入る。
図2
出所:ティッセンクルップ


Tata Steel(タタスチール、印)
2007年に印Tata SteelによるCorus(コーラス、GBR/NLD)買収により誕生。2018年にティッセンクルップと経営統合。


Baosteel Group(宝鋼集団、中国)
新日本製鐵や川崎製鉄の技術支援にて誕生した上海に本拠を置く中国の鉄鋼メーカー。2016年に中国の武漢鋼鉄との経営統合を発表し、宝武鉄鋼(バオウースチール、Baowu)が誕生。


Wuhan Iron and Steel Group(武漢鋼鉄集団、中国)
湖北省武漢に本拠を置く政府系鉄鋼メーカー。2016年に宝鋼集団との経営統合を発表し、宝武鉄鋼(バオウースチール、Baowu)が誕生。


Jiangsu Shagang Group(江蘇沙鋼集団、シャーガン・スチール、中国)
http://www.sha-steel.com/eng/index.html
江蘇省に本拠を置く中国の民間鉄鋼メーカー。


Hebei Iron & Steel Group(河北鋼鉄集団、フーベイ・アイアン・スチール、中国)
http://www.hebgtjt.com/main_en.jsp
中国政府による鉄鋼メーカーの再編で誕生した中国最大手の政府系鉄鋼メーカー。


Shougang Group(首鋼集団、ショウガンスチール、中国)
http://www.shougang.com.cn/
中国の北京に本拠を置く鉄鋼メーカー。


Anshan Iron & Steel Group(鞍山鋼鉄集団、アンスチール、CHN)
http://en.ansteelgroup.com/
政府系の大手鉄鋼会社。



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