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本ページでは航空機エンジンメーカーの御三家の1社であるユナイテッド・テクノロジーズ社による航空機部品の中でもアビオニクスやコックピットディスプレー分野に強いロックウェルコリンズの買収を分析しています。



航空機部品業界の構造

航空機部品は、大きく機体(胴体、主翼、尾翼)と装備品に分かれます。装備品には、油圧システムやアビオニク等の分野に分かれ、それぞれ強みを持つ会社が群雄割拠している状態です。

油圧システムハネウェル(米)、パーカー・ハニフィン(米)、リープヘル(スイス)、ナブテスコ等

与圧・空調システムハネウェル(米)、ユナイテッド・テクノロジーズ(旧ハミルトン・サンドストランド、米)、リープヘル(スイス)等

アビオニクス・飛行制御システムユナイテッド・テクノロジーズ(旧ハミルトン・サンドストランド、米)、ハネウェル(米)、ロックウェル・コリンズ(米)、パーカー・ハニフィン(米)、メギー(英)、タレス(仏)、ナブテスコ等

降着システムユナイテッド・テクノロジーズ(旧グッドリッチ、米)

エンジン:GE(米)、ロールスロイス(英)、プラット&ホイットニー(米)、ハネウェル(米)、スネクマ(仏)


一方で、航空機メーカーは、ワイドボディとナローボディ機のジャイアントであるボーイングとエアバスが市場をほぼ2分しています。その結果、航空機部品メーカーは常に両社からの圧力にさらされていました。
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今回のユナイテッド・テクノロジーズ社によるロックウェルコリンズ社の総額約2兆5200億円の買収(債務を含む企業価値ベースでは300億ドル以上)は、群雄割拠していた航空機部品メーカーが集結し、航空機メーカーのジャイアント2社に対抗できる規模を築く意味では、非常に評価されると思います。

特にユナイテッド・テクノロジーズ社は、エンジン機器やシステム機器に強い一方で、ロックウェルコリンズは、電子機器や買収したBEエアロスペースを通じて内装関連にも強く、製品の補完関係が見込めます。
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再編後の航空機部品業界の世界ランキング

ユナイテッド・テクノロジーズとロックウェルコリンズは経営統合後コリンズ・エアロスペース・システムズとなり、航空機エンジンのプラット・アンド・ホイットニーの売上も含めると断トツの規模となります。
2位には、本再編前には業界首位であったハネウェル・エアロスペースとなっていますが、規模でコリンズ・エアロスペース・システムズがハネウェルの2倍以上となり、今後の動向に注目が集まります。
3位には、フランスの航空宇宙大手のタレス・エアロスペース、4位にはパーカー・ハニフィンとなります。
出典:ユナイテッド・テクノロジーズによるロックウェルコリンズ買収後の航空機部品業界の世界ランキング


航空機部品業界の再編

1986年 ハネウェル(米)によるアビオニクスに強いスペリー・エアロスペースの買収
1998年 ハネウェル(米)とアライドシグナルとの経営統合
1999年 ユナイテッド・テクノロジーズによるサンドストランドの買収
2000年 タレスによるイギリスの防衛機器メーカーのレーカル・エレクトロニクスの買収
2002年 グッドリッチによるTRWエアロノーティカル・システムズの買収
2011年 ユナイテッド・テクノロジーズによるグッドリッチの買収
2016年 ロックウェルコリンズによるBEエアロスペースの買収
2017年 ユナイテッド・テクノロジーズによるロックウェルコリンズの買収