日本の海運会社の売上高と営業利益ランキング(2020年度)について考察をしています。コンテナ船が活況を呈しており、2020年は海運各社ともに一息ついた形となっています。
海運会社の売上高ランキング
2020年度(2021年3月期)の売上高ランキングは、
- 1位 日本郵船
2位 商船三井
3位 川崎汽船
4位 NSユナイテッド海運
5位 飯野海運
6位 明治海運
7位 乾汽船
8位 日本コンセプト
9位 共栄タンカー
となります。日本郵船(NYK)、商船三井(MOL)、川崎汽船(K-Line)が定位置で上位3位を占めます。
海運会社の営業利益ランキング
- 1位 日本郵船
2位 飯野海運
3位 NSユナイテッド海運
4位 明治海運
5位 日本コンセプト
6位 共栄タンカー
7位 乾汽船
8位 商船三井
9位 川崎汽船
営業利益を見ると違う構図となります。日本郵船は1位ですが、商船三井と川崎汽船は赤字です。コンテナ部門をOneとして切り出し、Oneの損益が営業利益に反映しなくなったことを示します。今後はいかに自社で営業利益を積み増すかが課題と言えます。
海運会社の世界シェアや世界のランキングは、下記をご参照下さい。
海運大手の概要
日本郵船
海運で国内首位。陸空運強化、傘下に郵船ロジ、日本貨物航空。コンテナ船は18年4月事業統合
出所:ヤフーファイナンス
商船三井
商船三井グループは、海運業を中心に事業を展開する。【事業内容】同社は、5つの事業セグメントを運営する。ドライバルク船事業は、ドライバルク船(火力発電用の石炭を輸送する石炭船を除く)を保有、運航し、海上貨物輸送を行う。エネルギー輸送事業は火力発電用の石炭を輸送する石炭船、油送船、海洋事業・液化天然ガス(LNG)船等の不定期専用船を保有、運航し、世界的な規模で海上貨物輸送を行う。製品輸送事業は、コンテナ船事業及び自動車船・フェリー・内航RORO船事業を含む。コンテナ船事業は、コンテナ船の保有、運航、コンテナターミナルの運営を行う。同社は航空・海上フォワーディング、陸上輸送、倉庫保管、重量物輸送等のロジスティクス事業も行う。自動車船・フェリー・内航RORO船事業は、自動車専用船を保有、運航する。また、同社はフェリーを運航し、旅客並びに貨物輸送を行う。関連事業は、不動産事業を行うほか、関係会社を通じて、客船事業、曳船業、商社事業(燃料・舶用資材・機械販売等)、人材派遣業などを営む。その他事業は、同社グループのコストセンターとして、油送船とLNG船を除く船舶の船舶管理業、グループの資金調達等の金融業、情報サービス業、経理代行業、海事コンサルティング業などを営む。出所:ロイター
川崎汽船
川崎汽船は、世界各国にて海上貨物・旅客輸送を行う。主に、コンテナ船・自動車船・不定期専用船・エネルギー資源輸送船などを運営。また、損害保険代理・倉庫管理・陸上輸送サービスも提供する。主な貨物には自動車・穀物・原油・石炭・鉄鉱石・製紙原料などがある。出所:ブルームバーグ
飯野海運
ケミカル船、タンカー、ガス船、バラ積み船を運航。本社・飯野ビルの賃貸が収益柱。土地含み益大。出所:会社四季報
NSユナイテッド海運
旧新和海運。バラ積み船が主力。日本郵船系だが日鉄海運と10年合併、日本製鉄が筆頭株主 出所:ヤフーファイナンス
明治海運
明治海運グループは外航海運業を中心に事業を展開する。【事業内容】3つの事業セグメントにより構成される。外航海運業においては、同社は、タンカー・自動車専用船及びバルカー等の不定期船を保有する船舶オーナー会社を海外に擁し、貸船料収入を収受する船舶貸渡業を柱として海運に係る事業を行う。ホテル関連事業においては、現在国内各所でホテル及びゴルフ場を所有し、それぞれのサービスを提供する。不動産賃貸業においては、主に所有ビルを事務所用物件としてテナントに賃貸する不動産貸事業を中心とし、持分法適用会社にて不動産斡旋・仲介業務、ビルの総合運営管理を行う。出所:ロイター
乾汽船
乾汽船は主に東京および横浜、大阪にて倉庫業を営む。 主に農・海産物および 鉄鋼製品・機械、化学・食料製品などがある。また、住宅・建物や駐車場施設なども 営む。出所:ブルームバーグ
日本コンセプト
タンクコンテナを用いた化学品、薬品、食品材料など液体物流サービスを提供。輸送自体は外注。出所:会社四季報
共栄タンカー
日本郵船系の外航海運会社。タンカーの長期貸船主体。コスモ石油向け過半。バラ積み船も展開